あなたは「生涯学習」という言葉をご存知ですか?
意味は文字通り、生涯を通して学習をするということです。
僕は一昔前の人間なので、
「学校を卒業してしまえば、もう勉強しなくていいんだ」 と
学生の頃はお気楽に思っていましたし、
その当時の学生の全てがそうだとは思いませんが、
僕の周りも社会的な風潮からか、
今よりもお気楽な学生が多かったように思います。
昔の学生の話はともかくとして、
昔も今も、実際の社会はそんなに甘くはないですよね。
社会人になったら新人の頃にはOJT(仕事をしながらの学習)や、
その他基本的な学習があり、
それから先はキャリアアップの為の学習がついてまわります。
もちろん、学習しなくてもキャリアアップできなくて、
給料や役職が上がらないだけなので、
割り切って最低限の学習しかしないという手段もありますが、
それでは働き甲斐もありませんし、
一日の内のほとんどの時間が就労時間なわけですから、
時間が勿体ないですよね。
何か身につけられるものがあれば、学習して習得しておくと、
後から自分の人生で何かの役に立つことは多いものです。
自分の仕事のキャリアアップも大切なことなのでしょうが、
それだけではなく、あるあ程度の年齢になってから、
何かの学習をしたいと思う人もいます。
そこで、今回は社会人になってからの学習、
「生涯学習」について考えてみたいと思います。
目次
社会人になってから学びたくなる
人とは勝手なもので、
大人になって学習をしなくてもよくなってから
何かを学びたくなるのです。
(個人差はありますが…)
もちろん、歳を重ねるといろいろな経験をしますし、
いろいろなものに触れる機会が増えます。
その中で興味を持つものが出てくるのは普通のことです。
また無意識なのか意識しているのかは人それぞれですが、
人は自分の人生に意味や豊かさを求めるものです。
そういったことからも”学習”を望むのでしょう。
社会人になってから何かを学びたい人は
意外と多いのではないでしょうか?
日本の生涯学習率は先進国で最低レベル?
昨今は日本も「生涯学習」が提唱されています。
文部科学省も生涯学習を推進しています。
”生涯を通して学習する”ということは、
考えれば普通のことですよね。
例えば、仕事でもキャリアアップの為などで、学習をするでしょうし、
自分の趣味でも、スキルを上達させるために学習は欠かせません。
この場合は誰でも喜んで学習しますよね。
だけど、残念ながら日本の生涯学習率は2015年では
先進国で最低レベルだったそうです。
30歳以上の成人の通学率
日本は1.6%とランキング18カ国の中で最も低く、学校で学ぶ成人が最も少ない。最高はフィンランドの8.3%で日本のおよそ4倍。上位は北欧の国々で占められている。大学開放(University Extension)の発祥の地であるイギリスをはじめ、上位国では教育有給休暇や学費の無償化など、成人が「学び直し」できる制度が整っている。
まあ、他国と比べても仕方がないと言えばそうなのでしょうが、
1つの指針にはなります。
残念な結果であることには間違いありません。
これには”学ぶことで心の豊かさを得る”などの意識を
個人個人が持つことが必要です。
また、学びたい人を受け入れる側の
社会全体の環境整備も必須になります。
生涯学習が普通にできる社会とは
海外の成人は自分のキャリアアップの為に学び、
それは自分の武器になり企業に自分を売り込むことができます。
日本の社会での社会人の学習というと、
企業の社員が企業内でキャリアアップの学習をするという
スタイルが主になっています。
企業にとってはそれも必要なことではありますが、
その企業のキャリアアップにだけ役に立つような
学習の種類が限られたものになりがちです。
もっと個人にフォーカスしたその人の趣向にあった「生涯学習」が
あったほうがいいですよね。
社会全体として「生涯学習」を後押しすることが重要です。
そういう意味でも、社会人になってから
もう一度学校に戻って教育を受けるという
「リカレント教育」が良い方法だとされています。
リカレント教育とは、義務教育や基礎教育を終えて労働に従事するようになってからも、個人が必要とすれば教育機関に戻って学ぶことができる教育システムを指します。スウェーデンの経済学者であるレーンが初めに提唱し、1970年代に経済協力開発機構(OECD)で取り上げられ、国際的に知られるようになった 生涯教育構想 です。
僕は年を取るにつれ人生や時間の大切さをより感じるようになりました。
そんな中で生涯にわたって学習するということは、
その学習を通して、心の豊かさが得られますし、
そのことを社会に生かすことで、社会への貢献にもなります。
「生涯学習」はあなたの人生をより豊かなものにするかもしれません。
室町諭