同じ人件費をかけるにしても、
「どうすれば、生産性が上がるのか」ということに、
経営者は日々頭を使っていると思います。
生産性を上げる為には、
より働きやすい作業環境を作ることが効果的と考え、
近年でも、設備投資や賃金面の整備をすることに
多くの経費を使う企業が多いのではないでしょうか?
もちろん、作業条件が改善されれば、従業員は働きやすくなるのでしょうが、
そうすることがどれぐらい効果があるのでしょうか?
その答えは、E.メイヨ―が提唱した「人間関係論」の中にあります。
仕事の生産性は賃金や環境の改善では上がらない?
生産性を高める方法
目次
人間関係論とは
工場の実験の内容は、作業条件を変化させたり、感情や人間関係による
生産性の変化を観察するというようなものでした。
作業条件を変化させる実験は、証明を暗くしたり、
温度を上げたり下げたりして過酷な環境を作り、
その中での生産性を測りました。
また、賃金や休憩時間の有無などの労働条件を変えて生産性を測りました。
それらの結果、労働条件や待遇を変えても
生産性には影響しないことが分かりました。
一方で感情や人間関係による生産性への影響の実験では、
労働者はその時々で労働量を自ら制限する傾向があり、
いつも100%の力で仕事をしている訳ではありませんでした。
個人の能力よりも意識の違いで生産性に大きく影響が出ることや、
上司と部下や周りの人間関係が良好な場合は
生産性が向上することも分かりました。
生産性向上のために企業が取り組むべきポイントとは?
メイヨーの人間関係論から分かったこと
生産性を向上させるには、従業員が気持ちよく働くことが必要です。
そのためには、仕事の条件を改善したり、環境を整備することより、
従業員との面談などを通してモチベーションを上げる取り組みや
人間関係を良好にする取り組みに労力を使ったほうが
効率がいいということです。
この研究結果の影響もあり、
現在までさまざまな心理学的研究がされてきました。
所謂「風通しのいい会社」を目標に、
大手企業を中心に、従業員の就業意欲を増すための取り組みを
行っている会社も多くなっています。
あなたの会社はいかがでしょうか?
人間関係や人の意識の改善は、経費など”お金”で解決できるものではありません。
人の気持ちの部分ですので、ある意味難題なのかもしれませんが、
その問題を組織的に取り組める企業が成長できるのかもしれません。
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室町諭