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コロナ禍で地球温暖化が緩まった
新型コロナウィルスの感染症対策で人の経済活動が激減しました。
そのことが原因で、国際共同研究団体によると、
2020年の化石燃料の消費による二酸化炭素排出量は
前年より7%減少したそうです。
人間にとってはコロナは最悪ですが、
地球にとっては人間の行動が制限されたことにより
大気汚染を改善するという皮肉な結果になりました。
安心は禁物。むしろこの後が危ない?
2020年のCO2排出量が少なくなったからと言って安心はできません。
大気中のCO2濃度は依然、過去最悪のままです。
コロナ禍では、自粛をするか経済を優先するかという議論が
散々なされてきました。今は自粛することっげ大切ですが、
人類はやがてコロナを収束するでしょう。
その後もし、各国が経済の回復へと一気に舵を切ってしまい、
環境問題を棚の上に上げてしまうなら、
より温暖化に拍車がかかりリバウンドするという結果になります。
人類滅亡へと転げ落ちて行くことになる危険性があるのです。
地球の温度が1.5℃上がると生物多様性の象徴でもあるサンゴが
70~90%死ぬと言われています。
また2℃上がるとサンゴは99%以上死滅してしまう可能性が高いと
言われています。
そうなればサンゴをよりどころとする多くの生命、種が
絶滅することは避けられないでしょう。
COP21で合意されたパリ協定で1.5℃目標と2℃目標が提示されましたが、
2020年、気温上昇は産業革命時から比べてもう既に1.2℃上がってしまいました。
1.5℃がボーダーラインとするとあと0.3℃しか猶予がありません。
人類はもう既に崖っぷちへと自らを追い込んだのです。
ここをピークにして早急に下降方向へと向わなければいけません。
グリーン・リカバリー
世界の動向
パリ協定でも各国の施策が表明されてはいますが、
各国がその削減目標を達成するには
かなり困難な状況になっています。
そんな中での今回のコロナ禍です。
世界では、企業も個人もこのコロナ禍を変革可能な好機として再考慮し、
経済を再生させると共に、環境問題も解決していこうとする動きが
広がっています。
特にGAFAと呼ばれるビッグ企業においては
各企業の代表が脱炭酸や
再生エネルギーで生産を100%まかなうことを宣言しています。
例えば、アップル社は脱炭素を宣言し、
商品の生産から回収リサイクルまで、
循環型のサプライチェーンを目指すとしています。
また、マイクロソフト社は
脱炭素100%をさらに超えた「カーボンネガティブ」を
2030年に実現すると発表しました。
もちろん、GAFAだけではなく、
他の企業や政府、個人に至るまで、その意識は高く
多くの国がグリーンリカバリーに大きく舵をきっています。
世界はもう既に目標に向かって走り始めています。
EV車の普及とガソリン車の廃止、再生可能エネルギーの推進、
プラスチックごみの減量、リサイクルシステム、生態系の保存、
森林保護、食生活の見直しなど、
あらゆる方法でグリーンリカバリーを推し進めることが急務です。
カーボンネガティブとは、
企業が事業で排出する温室効果ガス(CO2など)より、
吸収する温室効果ガスが多いことを言います。
例えば、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入したり、
エネルギー効率や生産効率の向上を図ることで排出量を抑え、
一方で、植林活動やカーボンオフセットなどにより、
温室効果ガスの吸収を排出量より多くすることです。
参考サイト: カーボンネガティブとは/IDEAS FOR GOOD