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鹿の増加と生態系の保全。害獣が増えたわけ

鹿の増加と生態系の保全。害獣が増えたわけ

鹿の増加

 

近年、登山をしていると鹿を見かけることが多くなりました。

そう思っている登山者も多いのではないでしょうか?

 

その感覚はなんとなく肌で感じているだけでなく、

現実に鹿は爆発的に増え続けていて、

山の植物や高山植物などが一面に食べ尽くされ、

植生や自然環境にも深刻な悪影響が出ています。

 

山や里山で植物や農作物を守るために、

鹿よけネットを設置している所も多くなっています。

鹿を見るとカワイイと思う人もいるのでしょうが、

実際には害獣なのです。

 

 

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現状の問題

 

 

現状野生の鳥獣の問題としては、鹿だけではなく

イノシシやクマなどのよるものも増えています。

 

近年の気候変動により動物の生息域が大きく拡大し

被害が増えています。

イノシシの頭数が増え、森林や農作物に被害が出たり、

クマの冬眠の期間が短くなったことで、

人里近くで人がクマに遭遇する危険なことが増えています。

 

これらは全て地球温暖化による気候変動によるところが

大きいと考えられます。

 

ここでは、野生動物の中でも被害が大きい

鹿が増えている問題について考えてみましょう。

下のような深刻な被害が出ています。

 

農林業被害

鹿による農業被害額は59億円以上で、

野生動物による食害の約33%になります。

51ヘクタール以上もの農地を食い荒らし、

鹿害にあった多くの農地が壊滅状態に追い込まれています。

 

また樹林の木の皮も食べるので、皮が剥がされた木は

そのまま枯れるしかありません。

低山や植林地などでも皮が剥がされた木を見かかることが増え、

林業被害も深刻です。

鹿害を防ぐために木の幹に何かを巻き付けてある植林もあります。

 

森林、生態系の破壊

鹿は柔らかい下草や新芽を好むので、すぐに食べられてしまいます。

なので若木が育たず、低い木が全くない大きな木だけの

一見スッキリした綺麗な森が残ります。

鹿が減らない限りその森は近い将来、壊れる運命にあります。

 

鹿の増加は生態系の破壊と自然破壊をもたらします。

鹿の増加により若葉が食べられ森林植生が大きく変化しています

南アルプスなどでは高山植物の群落が食べつくされ、

一面地面がむき出しになってしまいました。

地球温暖化により、鹿は今まで生息できなかった高山にまで

生息域を増やしています。

どんどん自然破壊が進んでいるのです。

 

 

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増加した原因

 

 

鹿が増えた理由としては、もともと捕食者に比べて

草食動物なので繁殖率が高いということ、

森林環境の変化、里山などの農山村の過疎化、狩猟者の減少、

鹿の保護政策、死亡率の低下などが考えられます。

 

繁殖率が高い

 

もともと草食動物ということもあり、

肉食系動物に比べて繁殖率が高く、

満1歳になると繁殖能力が備わります。

 

数を減少させるような要因が減ると、

爆発的に増える可能性を持っている種です。

 

農山村の過疎化

 

 

農山村の過疎化で農業の耕作放棄地が増え、

山や森林から続く昔の里山だった耕作放棄地にも、

鹿が生息域を広げています。

 

鹿の死亡率の低下

 

一般的に自然死以外で鹿の死亡原因は、

オオカミやクマなどの捕食者によるもの、

人による狩猟、厳冬や大雪など自然によるものなどが考えられます。

 

鹿の死亡率の低下の原因として考えられる大きな要因は4つあります。

1.オオカミ絶滅

 

 

生態系の頂点に君臨していた捕食者であるオオカミが絶滅したことにより、

数が増えたという説。

オオカミはかつて日本中の森林に生息していましたが、

明治時代の駆除政策などの乱獲により、19世紀末にエゾオオカミ、

1905年にニホンオオカミの姿が確認されたのが最後になりました。

 

2.狩猟者の減少

狩猟者が減少し狩猟圧が減り増えたという説です。

オオカミなどの捕食者は自分たちが食べる量しか狩りをしませんが、

人間はそうではありません。

鹿にとって最も危険な敵ということになります。

 

しかし、近年狩猟者数は減少し、

1人当たりの狩猟数も減る傾向にあります。

 

3.地球温暖化

 

 

厳冬期や大雪が積もることが減少したため

鹿の死亡率が低下したという説です。

地球全体の平均気温が今上昇しています。

日本も100年で1℃以上上昇していて積雪も少なくなりつつあります。

それにより、鹿の生息域が広がり、

今まで寒くて生息できなかった高山にまで生息域が広がり、

高山植物などが食い荒らされ、自然破壊が起こっています。

 

4.保護政策

戦中や戦後、世の中が混乱していた時期に乱獲され鹿は激減しました。

その後、保護政策により捕獲数も制限されます。

鹿の数はその後回復し適性数に戻るのですが、

保護政策は1990年頃まで続き、その間鹿は増え続けました。

 

解決方法は狩りと管理

 

 

上に書いたように、

日本の森林において最大の課題は二ホンジカの増加です。

行政や猟銃会などの団体も対策を打っています。

 

鹿は今も増え続けています。

このままだと、2023年には約1.7倍にまで増えるとされています。

それを防ぐためには現在の捕獲数を2倍にする必要があります。

可哀そうにも思いますが、全ての生物が共存するためなのです。

 

そして鹿の数が減少した後、生態系と森の保護の為に

その頭数を継続して管理することが必要です。

 

参考サイト: 日本自然保護協会

緑のgoo なぜ、シカはここまで増えたのか?

環境省 いま、捕らなければならない理由