あなたは自転車ロードレースと聞いてどんな印象をお持ちですか?
僕と同じようにもう既にハマっている人もいるでしょうが、
「何が面白いの?」「見ても分かりにくい」と思っている人や、
「まだ見たことがない」という人は是非一度観戦してみてください。
案外”食わず嫌い”なのかもしれません。
今回は僕がハマった理由について書きます。
あなたの観戦の参考になれば嬉しいです。
ちなみに僕はほとんどがテレビ観戦です。
目次
自転車ロードレース観戦はなぜ面白いのか?
自転車ド素人の僕がハマった訳
ハマる理由
人の物語があること
ロードレースは先進技術が詰まったロードバイクに乗っています。
ですが、バイクは先進技術でも
そのレースには極めて人間臭い物語があります。
なぜそんなに人間臭いと言えるのか?
その理由をお話しします。
1.チームのたった1人のエースの為にチームで戦う
1つのレースに出場する選手の数は、そのレースの規模によっても変わりますが、
多いレースで200人弱です。
その中で勝てるのはワンデイレースで1人だけ、
ステージレースでも数日間走ってたった1人だけなのです。
エースは総合系やステージ優勝を狙うスプリンターなどもエースになったりしますが、
アシストはそのたった1人の自分のチームのエースを
勝たせるためにサポートをします。
時には自分の調子が良くて勝てそうな日や
もしくは上位でフィニッシュできそうな日でも
自分の成績を犠牲にしてエースをサポートするのです。
正にプロフェッショナルですが、
世界のトップレースに出てくるような選手ですから、
きっと自国や自分の育った地域ではトップだったに違いありません。
そんな選手だからプライドもあるはずなのですが、
そんな自分を抑えてエースの為にアシストに徹するということは、
精神的に強くならないとできないことですよね。
またエースとしては
そんなにしてまで自分の為に働いてくれているのだから、
それに応える働きをしないといけないというプレッシャーもあるわけです。
この辺の各選手の仕事っぷりを見ていても人の感情が垣間見えます。
自転車ロードレースはフォアザチーム、フォアザエースです。
もちろん、勝利をつかんだり、レースの中で目立つことは
スポンサーのためでもあります。
2.いまだに残る騎士道精神
自転車ロードレースでは、レースの最中に誰か他のチームのライバルが
パンクやその他のメカニカルトラブルで止まった時、
アタックをかけるチャンスなのにもかかわらず、
みんなスピードを落としてその選手の復帰を待ちます。
もちろん、相手がその日調子が悪かったり、普通に遅れている場合は
待ったりはしませんが、その選手の実力以外の出来事で遅れた場合は
その選手の復帰を待ち、それから改めて競い合うのです。
もちろん、そんなルールは正式にはロードレースにおいて存在しません。
暗黙の了解のような「ルールにはないルール」が
選手間やプロトン(選手の集団)の中で存在します。
他のスポーツではほぼあり得ないことだと思いますが、
”相手の不慮の出来事にはつけこまない”というような
「騎士道精神」のようなものがロードレースにはあります。
そんな場面を見ると何か少し感動してしまうのは
僕だけではないと思います。
自転車ロードレースは人間味あふれるスポーツだと思います。
3.ポイントの賞を譲ってもらう代わりに長めに曳きますということ
ステージレースには各ステージの優勝と総合優勝の他に、
ポイント賞(スプリントポイントを一番多く捕った選手に与えらる賞)や
山岳賞(山岳ポイントを一番多く捕った選手に与えられる賞)や
ヤングライダー賞などがあります。
ポイント賞や山岳賞は各ポイントの通過順位で争われます。
例えば、二人の選手が一緒に先頭で走っているとします。
だけど、それぞれ目的が違っていて、
一人はその日のステージ優勝を狙っています。
もう一人は山岳賞が捕りたのでこの先にある山岳ポイントを
一位で通過したいと思っています。
この場合、ステージ優勝を狙っている選手は
できれば登りで体力をあまり使いたくない訳です。
一方、山岳ポイントを捕りたい選手は次の山岳ポイントを一位で通過したい。
となると…
山岳ポイントを捕りたい選手は、山岳ポイントの一位を譲ってもらうために
「山岳ポイントまでの登りをあなたの為に多めに前で曳きます。
その代わりポイントの一位は譲ってね」
という提案をステージ優勝を狙っている選手にします。
ステージ優勝を狙っている選手の前を
チームが違う選手が曳くというちょっと変な現象が起きたりします。
ただし、自分やチームの誰かがステージ優勝を狙っている場合は別です。
4.グルペットという暗黙のシステム
自転車ロードレースには各ステージでこの時間以内にゴールしないと
失格ですよというタイムアウトの時間が設定されています。
それは先頭でゴールした選手のタイムから何分以内と決めるのですが、
その日のコースの長さによって変わります。
山岳ステージはスプリンターにとって過酷です。
どんどん先頭グループから遅れていきます。
その時誰かが叫びます。「グルペット!!」
そうするとスプリンターなど遅れる選手が集まってきて、
みんなでタイムアウトにならないように、
ギリギリのタイムでゴールすることを目指すグループが出来ます。
グルペットはチームは関係ありません。
遅れる選手みんなが先頭交代をしながら助け合いゴールを目指します。
なにか微笑ましいですよね。
美しい景観
自転車ロードレースは一般道を使って行われます。
長いステージは200Kmを超えることもあります。
大きなレースは世界各国にテレビ中継されますので、
レースが通る国や地方、また町にとっては、
絶好の観光の宣伝になるわけです。
なので、テレビ中継もレースで選手を映すだけではなく、
その地方の景観なども織り交ぜて紹介してくれます。
ツール・ド・フランスなどでは、
美しいフランスの風景やお城なども楽しめます。
自転車ロードレース観戦はなぜ面白いのか?
自転車ド素人の僕がハマった訳
まとめ
自転車ロードレースには人の優しさや人の物語があります。
それを見せてもらうだけで幸せな気分になれますし感動します。
人間味あふれる美しいスポーツだと僕は思います。
あなたも是非観戦してみてください。
ただ、ハマると面白すぎて抜け出せないかも?^^
「これから観戦する」という人は参考になると思います。
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